カ、カルニチン…?あれだろシジミに入ってるやつ。
それはオルニチン。全然違う物質よ。L-カルニチンとD-カルニチンがあるけど、脂肪の代謝に関わるのはL-カルニチンの方だけよ。
う~ん。聞いたことあるようなないようなあるような。どんな食べ物に含まれているんだ。
肉に多いいわ。だから肉を余り食べない人やベジタリアンの人はサプリメントで補うメリットがあるかもね。肉以外だと牛乳や乳製品が豊富みたい。後、魚肉にも多少は含まれているわよ。
で、一日にどれくらいの量を摂取する必要があるんだい。
1日300~500mg程度とされるけどカルニチンは必須アミノ酸のリシンなどから生合成できることもあって推奨摂取量は公表されてないわ。つまり食品から摂らなくても体の中である程度はつくりだせるのよ。逆に摂りすぎるのもよくないとされていて、厚労省は上限を定めてないみたいだけどアメリカでは許容一日摂取量(ADI)が20mg/kg/日で、スイスでは1000mg/日が上限とされてるみたい注1。普通の食品から摂る分にはこんなに摂取できないと思うけそサプリをガバガバ飲んだら危険よ。
なるほど。副作用みたいなのはあるのか?
基本は大丈夫だけどたまに吐き気がしたり気分が悪くなったり下痢したり吐いたりしちゃう人がいるみたい。後体臭が変になることもあるんだって。
逆にカルニチンが欠乏状態になることはあるの?
普通はないけど一部の病気になるとあるみたい。後、歳をとると筋肉中のカルニチンの量が減ってくるっていわれているわ。
L-カルニチンの効能
でカルニチンはどんな働きをするんだい?
運動をするとホルモンの働きで脂肪細胞中の脂肪が分解されて遊離脂肪酸として血中にでていくんだけど、その脂肪酸が筋細胞に取り込まれてコエンザイムエーと結合してアシルCoAになるの。それからアシルCoAはミトコンドリアに運ばれてカルニチンと結合してアシルカルニチンになり、再びアシルCoAに変換された後、 β酸化によりアセチルCoAとなる。アセチルCoAはクエン酸回路(TCA回路)に取り込まれて結果としてエネルギーにが発生するってわけ。

全然よくわからないけどとにかくカルニチンは脂肪がエネルギーとして使われるのに関わるってことだね。じゃあ例えば筋トレの前にL-カルニチンサプリを飲めば脂肪の消費量が増えたりするのかい?
脂肪をエネルギー源とするは遅筋で、筋トレのよう無酸素運動で使われる速筋は糖をエネルギー源とするからそうはならないはずよ。
じゃあランニングなんかの有酸素運動の前に飲めばいいの?
きちんと証明されてるわけではないけどカルニチンをたくさん摂ることで体脂肪を減らせるってデータもあるわ。摂取のタイミングは運動前がいいでしょうね。
ふむふむ。他にはどんな効果が期待できるの?
運動能力の向上の効果があるといわれていててそれ目的でサプリを飲んでいるアスリートの人もいるわ注2。また筋肉痛を軽減するともいわれているわ。他には、筋トレや運動とは関係ないけど精子を活性化する働きもあるんだって。後、アセチル-L-カルニチンは脳の認知機能を改善するそうよ。
カルニチンサプリメント
カルニチンが入ってるサプリメントにはどんなものがあるの?
カルニチンメインのサプリとしてはネイチャーメイドのL-カルニチンやゴールドジムのカルニチンリキッドカプセル
があるわ。
ほかの有効成分と一緒になってるやつもあるの?
色々あるわよ。BCAAと一緒になったカルニチン・BCAAとかあなたが冒頭で間違えたオルニチンと一緒になったオルニチン・カルニチンとかカルニチン・CLAとかα-リポ酸・L-カルニチンとか。
BCAAは必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンだっけ?筋肉の分解を防いで筋肥大を促進するやつだよね。オルニチンにはどんな効果があるの?
オルニチンもアミノ酸の1種で成長ホルモンの分泌を促進して筋肉の合成を高めたり、脂肪の分解を促したりする効果があるといわれているわ。
ふーん。α-リポ酸ってのは?聞いたことないけど。
α-リポ酸は細胞のミトコンドリア内に存在してエネルギー生産に補酵素として関わる化合物よ。ダイエットや疲労回復にいいとされているわ。ちなみにCLA(共役リノール酸)は牛などの反芻動物が多く持つ1種の不飽和脂肪酸で、やはり体脂肪の燃焼に役立つといわれているの。
色々あるんだね。
注1食安基発第0817001号平成19年8月17日医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱いの改正についての注を参照
注2運動能力の向上に効果ありとする実験結果もある一方効果はみとめられないというデータもありはっきりしないようです。