冷え性とは
冷え性は外気温がそれほど低くなくても手、足など特定の部位に冷たさを感じる性質のことをいいます。
男性にも症状を訴える人はいますが女性に多いのが特徴で、20-60歳の女性470名を対象とした調査では63.6%の人が自分は冷え性であると回答しています注1。
シーズン的には気温の下がる秋から冬にかけてが本場ですが、同アンケートによれば一年を通して「冷え」を感じるという人も17.4%います。
また同アンケートによれば冷えを感じる部位は手、足、下肢が圧倒的多数となっています。
冷え性では単に冷たさを感じるということだけでなく、以下のような症状を伴うことがあります。
- 肩こり
- 頭痛
- むくみ
- 肌荒れ
- 神経痛
- 便秘
このように冷え性はかなりの苦痛を与えることもありますが一般には病気とは認められておらず、本人の自覚以外に明確な診断基準もありません。
冷え性と体温は関係ない?
冷え性の人は当然、足先なり手なりの温度が低くなっているものと思われます。
その通り冷え性を自覚する人の方が体温が低かったとする報告がある一方冷え性を自覚する人と自分は冷え性ではないと思っている人の全身の体温をサーモグラフィーで計ってみたところ、非冷え性群方が温度が高かったが有意な差は認められなかったとする報告注2もあり、体温と冷え性の関係ははっきりしません。
体幹部と四肢部の最低温度の差が大きいと冷え性を訴える人が多くなるとの報告注3もあり、相対的な体温差が重要なのかもしれません。
身長などの属性と冷え性の関係については、身長,基礎代謝,内臓脂肪レベル,筋肉スコアーと冷え性に自覚の関係は低いとする報告注4や年齢が若くBMIが低い女性を冷え性の割合が高いとする報告があります注1。
冷え性改善に有効かもしれない筋トレ
というわけで筋肉が増えたから冷え性が改善されるかどうかはよくわからないのですが、筋肉が熱の生産に重要な役割を果たしていることは確かです。
冷え性が女性に多く、男性に少ないことからも筋肉量が関係している可能性はあると思います。
個人的には筋肉が増えた時の方が運動時の体温上昇は著しくなった気がしますが、安静時に関してはそんなに変わらないような気もします。
ということで冷え改善に役立ちそうな筋トレをいくつか紹介します。
スクワットで下半身の筋肉を強化
- ダンベルを両手でもって直立し足は肩幅程度に開く
- 手を伸ばし体の側面にダンベルを保持
- 顔は前に向けゆっくりとしゃがんでいく
- 腿と床が平行になる程度まできたら立ち上がる
- 後は決めた回数これを繰り返す
カーフレイズでふくらはぎ
- 台また板に片足のつま先から3分の1をのせる踵を下ろす
- 乗せたのと同じ側の手にダンベルを持ち踵を上げていく
- 上がり切ったら2~3秒止めスタートポジションに戻る
- 後は自分の決めた回数これを繰り返し、左右チェンジして同じことをやる
手の冷えにはリストカール?
- 左右どちらかの手に逆手でダンベルを握りベンチに座る
- 前腕を太腿の上にのせ空いている手を前腕に添え、拳を地面に向ける
- 手首丸めてダンベルを持ち上げ、限界まできたらゆっくりと元の位置に戻す
- 後は自分で決めた回数これを繰り返す
冷え性改善に効果的とされるヨガポーズ
冷え性改善には血流を良くすることも重要だといわれており、冷え性に効くとされているヨガのポーズがいくつかあるので紹介してみたいと思います。
カラスのポーズ
- しゃがんで両手を床に着く
- 手をそのまま床から離さずにつま先立ちになり、膝と脛を二の腕に当てる
- ゆっくり体重を前にかけていき体を浮かせる
- 体が浮きあがったらつま先を揃えしばらくその姿勢をキープする
一本足のポーズ
- 両足を肩幅程度に開いて直立して手を腰に当てる
- 片足を曲げて一本足立になり、曲げた方の足の指を掴む
- 息を吐きながら脚をまっすぐ前に伸ばしていく
- 息を吸いながら脚を横に開いていき首を反対側にねじる
- しばらくその状態をキープしたらスタートポジションに戻り反対側の足で同じことをやる
太鼓橋のポーズ
- 床に仰向けに寝そべり膝を立てる
- 息を吸いながら腰を浮かせていき肩を寄せて尻の下で手を組む
- しばらくその状態をキープしたら息を吐きながらスタートポジションに戻る
注1成人女性の冷えの自覚とその要因についての検討
注2女子学生における冷え性の自覚と下肢皮膚温について
注3サーモグラフィを用いた冷え性の病態生理学的検討 気温の変化と冷え性患者の皮膚表面温度分布の関係について
注4運動負荷からみた冷え性自覚者の下肢皮膚温について