なぜ懸垂ができないのか

懸垂が一回もできないって人はけっこういると思います。女性では珍しくないと思いますし、男性でもできない人はチョイチョイいるでしょう。
懸垂は何か特別なコツが必要という訳ではないので、懸垂ができない最大の理由は単に筋力が不足しているためだと思われます。
正確に言えば筋力と体重のバランスが問題です。太っている人はそれなりに筋力があってもぶら下がった時にかかる負荷が痩せている人よりもずっと大きいので体が上がらない可能性があります。
ということで懸垂ができるようになるためには筋力を上げるかダイエットなどで体重を軽くすればよいわけですが、ここでは筋力アップの方法について考えてみたいと思います。
懸垂は順手で握った場合と逆手で握った場合で筋肉の使われ方が違います。順手で握った場合は広背筋、大円筋といった背中の筋肉の関与が大きく逆手で握った場合は広背筋も関与しますが、上腕筋、上腕二頭筋といった腕の筋肉が重要となります。
つまり筋トレによってこれらの筋肉を鍛えれば、ある程度のレベルに達した時懸垂ができるようになります。
腕や背中の筋力は問題なさそうだけどグリップが持たないという人は握力を鍛えましょう

反動が使えるチューブ懸垂

チューブ(レジスタンスバンド)を使用することで楽に懸垂ができるようになります。全くできないわけではないけど苦手だという人におすすめです。
チューブ(レジスタンスバンド)を使用した懸垂

  1. 両手にチューブを持ったまま鉄棒を握り、チューブに足を掛ける
  2. 軽くジャンプして体を浮かせ、ゆっくりと腕を伸ばしていく
  3. 腕が伸びきる寸前まできたら力を入れて体を引き上げていく
  4. 後はこれを決めた回数繰り返す
下ろした時にチューブの反動が加わるので楽に上がることができます。チューブは鉄棒に結びつけてもオーケーです。

下りだけのネガティブ懸垂

ジャンプして体を浮かせて下ろす動作(ネガティブ動作)だけを行うトレーニングになります。順手でも逆手でも可能です。
ネガティブ懸垂のイメージ

  1. 鉄棒を肩幅より少し広めな間隔で握る
  2. 地面を蹴って飛び上がり体を浮き上がらせる
  3. できるだけ抵抗を試みながらゆっくりと腕を伸ばしていく
  4. 再び地面を蹴って上がり、同じことを繰り返す
筋肉は縮む動作(コンセントリック収縮)よりの伸びる動作(エキセントリック収縮)で大きな力を発揮することができます。そのため懸垂が一回も上がらない人でも下ろす動作はできる可能性があり、これを繰り返すことでだんだん筋力がついてきます。

ベントローで広背筋を鍛える

以上は一応懸垂の形をしたトレーニングでしたが、懸垂に使われる筋肉を全く別な筋トレによって強化するのもありです。
ダンベルを使った筋トレはダンベルさえあれば自宅でも簡単にでき、十分な効果が期待できるので特におすすめです。
ダンベルベントロー

  1. フラットベンチ(椅子でも可)に片手と片膝をつきもう片手でダンベルを握る
  2. 背中を床と水平に保ち、肩の力を抜いてダンベルを持っている方の腕を伸ばす
  3. 息を吸い手が腹のあたりに来るようにダンベルを引き上げる
  4. 上がり切ったらワンクッション入れて息を吐きながらスタートポジションに戻る
  5. 後は決めた回数これを繰り返し、反対側の腕にチェンジして同じことをやる
順手の懸垂を行うのに重要な広背筋、大円筋に効果があります。ダンベルの重さはだいたい10回ぐらいで限界がくるように調整しましょう。

ダンベルカールで上腕二頭筋を鍛える

座ってやる場合で説明しますが立って行ってもオーケーです。
座ってやるダンベルカールのフォーム

  1. ダンベルを両手でつかみベンチに座り体の側面で保持
  2. 肘がなるべく動かないように腕を曲げていく
  3. 上腕二頭筋が収縮しきる位置までゆっくりスタートポジションへ下ろす
  4. 後はこれを限界の回数まで繰り返す
逆手の懸垂を行うのに重要な上腕筋、上腕二頭筋を鍛えることができます。女性や子供で筋力が弱い人ならダンベルの代わりにペットボトルを使っても大丈夫です。