衰えイメージ

使わないと筋肉は落ちていく

使用しないと筋肉が細っていくというのはわかりやすいと思います。
例えば、骨折して片腕だけギプスをしてしばらく過ごしているとギプスを外した時、明らかにそっちの腕だけ細くなっているのが分かりますし、病気でしばらく寝たきりになると歩くのすら大変になったりします。
注意が必要なのは筋トレをして筋肉が大きくなるとそれを維持するためはある程度筋肉に高い負荷のかかる運動をし続けなければならないということです。
一回大きくすればほっといても変わらないというなら楽なんですけどね(笑)。
ただマッスルメモリーと呼ばれる現象があって、一度筋肉を大きくした経験がある人は細くなってしまっても筋トレ未経験者よりも短い時間で筋肥大を起こすことができることが知られています。

痩せると筋力が落ちる可能性がある

減量はたいてい脂肪を落とす目的でおこなわれると思うのですが、残念ながら消費エネルギーが摂取エネルギーを上回った時脂肪だけではなく筋肉も分解されてしまいます。特のそんなに脂肪がついていない人が更に痩せようと思った時この現象が顕著です。
筋力は筋肉量にある程度比例しますので筋肉量が落ちれば当然筋力も落ちます。

やりすぎにも注意

これはそんなに起こらないことだとおもいますが、毎日高負荷なウェイトトレーニングを行うなど筋トレをやりすぎると筋肉が増えるどころか減っていく可能性があります。
「グラップラー刃牙」という漫画に余りに激しいトレーニングを行う故にガリガリに痩せ細ったジャック・ハンマーという登場人物がいましたが、あんな感じです(笑)。
筋トレの適切な頻度は多くても3-4日とされているので、十分な休息をとることも筋力を維持するためには大切です。

加齢による筋力低下は避けられない?

加齢による筋肉量の低下を指す「サルコペニア」という言葉がありますが、残念ならが年齢を重ねるごとに筋肉量はどんどん落ち、筋力が低下していくのが普通です。
だいたい80歳代ではピークである20~30歳代の半分程度の筋力になってしまうといわれています。

上体起こし、握力の年齢による変化のグラフ
このグラフは体力・運動能力調査平成27年度のデーターを元に制作したものですが、男女関係なく、握力は40代以降、上体起こしは10代後半から歳と共に数値が落ちているのがわかると思います(ただ上体起こしがこんなに若い内から減少に転じているのは筋力の問題というより体重(上体が重くなる)と筋力のバランスのせいな気がします)。

このように加齢よる筋肉量の減少は極自然な現象なわけですが、全ての筋肉が一律に減少するわけではなく加齢による筋肉減少では速筋繊維(Ⅱ型繊維)の方がより多く減少していくことが知られています。
速筋は大きな力を発揮する時に使われる筋線維ですので、高齢者は重たいものを持ち上げるなどの短い時間に強い筋力を発揮する動作が特に苦手になっていくということになります。

筋トレすれば高齢者でも筋肉は増える

ただ幸いなことに高齢者になって筋肉が増えないということはなく、適切なトレーニングをおこなえばそれなにに筋肉量の増加が見込めることがわかっています。
高齢者は関節が弱くなっている場合も多いので高い負荷のかかる通常のウェイトトレーニングではなく、少ない負荷で大きな効果が期待できるスロートレーニングや加圧トレーニングを試してみるとよいかもしれません。