体の中に取り込まれた食べ物は胃や腸で、分解、吸収されますが、この時、何らかの物質の働きによって吸収を上手く行わせないという系統のダイエットサプリメントや肥満薬が存在します。
もし栄養素が吸収されれずそのまま排出されれば、その分はエネルギー源とならないので食べても太らないということになります。
実際にはそれほど大きな効果があるわけじゃないものがほとんどで、ダイエットに使うとしてもあくまで食事制限や運動の補助ということになると思いますが、成分ごとの効果や実際のサプリメントにどういった成分が入っているのかをまとめてみました。
- キトサン(脂質)
- 茶カテキン(脂質、糖質)
- コーヒー豆マンノオリゴ糖(脂質)
- 難消化性デキストリン(脂質)
- ウーロン茶重合ポリフェノール(脂質)
- 白インゲン豆抽出物(炭水化物)
- ギムネマ(炭水化物)
- サラシア(炭水化物)
- セチリスタット(脂質)
サプリメント
有効成分
タンパク質の吸収を阻害するというのは聞いたことないので、炭水化物(糖質)、脂質のどちらか(あるいは両方)の吸収を妨げるということになります。
例えば脂肪分を含まない食事の際に脂質の吸収を阻害する成分を摂取しても意味がないので注意しましょう。
キトサン
キトサンはカニやエビのキチンから得られる物質で、食物繊維の一種です。
脂質を吸収できるように分解する膵臓リパーゼの働きを阻害する働きがあるとされており、それ自体としてはあまり販売されていませんが、ダイエット系のサプリによく含まれています。
またコレステロールを低下させる効果もあるとされ、この働きでいくつかの特定保健用食品の有効成分となっています。→キトサン詳細
茶カテキン
茶カテキンはフラボノイドの1種で、茶の渋み成分として知られる物質です。
脂肪と炭水化物(糖質)の吸収を阻害する働きがあるといわれ、ヘルシア緑茶など「食後の血中中性脂肪が上昇しにくいまたは身体に脂肪がつきにくい」等の表示を許された特定保健食品の有効成分となっています。
他にもあ抗酸化作用や抗アレルギー作用があるといわれています。→茶カテキン詳細
コーヒー豆マンノオリゴ糖
コーヒー豆マンノオリゴ糖はコーヒー豆から抽出される1種のオリゴ糖です。
どういったメカニズムかははっきりしませんが、小腸での脂質吸収を阻害する作用があるといわれ、また脂肪酸合成を抑制するので肥満防止に効果的とされます。
ボスブラックなどいくつかのトクホの有効成分となっており、「脂肪の吸収を抑える」などの表示で販売されています。→コーヒー豆マンノオリゴ糖詳細
さらに、腸内環境を整える作用があり、便秘解消にもいいといわれています。
難消化性デキストリン
難消化性デキストリンはデンプンやグリコーゲンを加水分解して得られる糖類の総称で、食物繊維の一種です。
脂肪は酵素の働きによってモノグリセリドと脂肪酸に分解された後、ミセルと呼ばれる固まりを形成して消化管内を移動しますが、難消化性デキストリンにはミセルの安定化を図る作用があり、一部のミセルは崩壊せずにそのまま排出されるため脂肪の吸収を防ぐ効果があるとされます。
メッツコーラ、ペプシスペシャル、ミツヤサイダープラスなど多くの特定保健用食品の有効成分となっています。→難消化性デキストリン詳細
ウーロン茶重合ポリフェノール
ウーロン茶に含まれている一種のポリフェノールです。
これを高濃度で含んだサントリーの黒烏龍茶が有名ですが、普通の烏龍茶にも含まれており、やはりリパーゼの働きを阻害するために脂肪の吸収を抑える効果があるとされます。
味的にも普通の食事に合うものなので、脂っこい料理の時は烏龍茶を飲むとよいかもしれません。→烏龍茶詳細
白インゲン豆抽出物
白色の種子をつけるインゲン豆属の植物から抽出された物質で、ファセオラミン(ファセオリン)という成分がデンプンを二糖類に分解するα-アミラーゼの働きを阻害するといわれているため、炭水化物の吸収を妨げるとされます。
サプリ等は大丈夫だと思いますが、白インゲン豆を十分に加熱せずに食べると危険で、過去にはテレビ番組で紹介されたのを真似た視聴者が食中毒を起こしたこともあるので注意が必要です。。→白インゲン豆抽出物詳細
ギムネマ
ギムネマは中国南部や東南アジア、インドなどに生えてる一種のハーブです。
インドでは昔から糖尿病治療に用いられてきたそうで、糖の吸収を阻害する働きがあるとされています。
まらギムネマの葉っぱを噛んでから甘いものを食べると砂糖の甘さを感じなくなることでも知られます。
カプセルやタブレット状のサプリメントとしても売っていますが、お茶も人気があるようです。→ギムネマ・シルベスタ詳細
サラシア
サラシアはインドやスリランカに自生する植物で、いくつかの植物の総称です。
サラシノールなどの成分にα-アミラーゼ、α-グルコシダーゼといった糖を分解する酵素の働きを阻害すると考えられており、炭水化物を食べても栄養を吸収させずに排出させる効果が期待できるとされます。
サプリメントには主に皮などから抽出されたエキスが使用されています。
セチリスタット
セチリスタットはサプリメントではなく肥満治療に使われている薬です。
重度の肥満で食事や運動で改善が見られないとき以外は処方されないと思われますが、やはりリパーゼの働きを阻害するため脂質の吸収を抑えられます。
似た働きをする薬にオルリスタットがありますが、こちらは日本での製造は許可されていません(アメリカなどでは肥満治療に使われています)→肥満治療に使われている薬
ブロック系サプリの成分
ドラッグストアなどで見かける、「食べても太らない」系のサプリメントにどういった成分が入っているのかをみていきましょう。
井藤漢方製薬 食べてもDiet
- 黒烏龍茶
- ギムネマ・シルベスタエキス
- 白インゲン豆エキス
- キトサン
- スレンデスタ3mg
- ブラックジンジャーエキス
キトサンと黒ウーロン茶は脂質、ギムネマ・シルベスタエキスと白インゲン豆抽出物は糖質の吸収を阻害するとされます。またブラックジンジャーにはエネルギー消費を増大させる効果があるとされます。
Svelty 糖質 ぱっくん分解酵母
- キトサン
- 白インゲン豆エキス
- ウーロン茶エキス
- ギムネマシルベスタ
- ガルシニアカンボジア
- サラシアエキス
- キャンドルブッシュ
ギムネマ、サラシア、白インゲンが糖質、ウーロン茶が脂質の吸収を阻害するとされています。ガルシニアカンボジアには食欲を抑える効果があるといわれています。
富士フィルム メタバリアS
- 難消化性デキストリン
- サラシア濃縮エキス
- 赤ワインポリフェノール
- クロム含有酵母
- 緑茶抽出物
- 炭酸カルシウム
難消化性デキストリンが脂質、サラシア濃縮エキスが糖質の吸収をブロックします。
ディアナチュラ ダイエットケアスリムブロック
- ギムネマシルベスタエキス
- キトサン
- カプサイシン含有とうがらしエキス
- コエンザイムQ10
- L-カルニチンL-酒石酸塩
ギムネマシルベスタエキスが糖質、キトサンが脂質の吸収を阻害するとされます。また唐辛子エキスにはエネルギー消費を増大させる効果があるとされています。
FANCL カロリミット
- キトサン
- 桑の葉エキス
- ギムネマシルベスタエキス
- 鳩龍緑茶エキス
- インゲン豆エキス