ザバスプロテイン
痩せたいと思っている人がいれば太りたいと思っている人もいるはずです。
プロテインはガリガリな人が太るのに有効な手段でしょうか?

プロテインダイエットという言葉を聞いたことがある人はむしろ痩せるんじゃないのと思われるかもしれません。
プロテインとはタンパク質のことです(ただ実際のプロテインサプリメントにはタンパク質以外にも炭水化物やビタミンが含まれている場合がほとんどです)。
タンパク質が太らないかといえばそんなことは全くありません。タンパク質は1g当たり4kcalのエネルギーを持っており、これは炭水化物と同等です。
なので食べ過ぎて摂取カロリー>消費カロリーな状態になれば栄養素はなんであれ普通に太ります。

ただ食事誘発性熱産生注1が高いこやインスリンの分泌を刺激しないことから炭水化物よりタンパク質の方が太りにくいとはいえると思います。

ちなみにプロテインダイエットはプロテイン置き換えダイエットともいって1食我慢する代わりにプロテインを飲むといった手法です。普段の食事に加えてプロテインを飲んだのではただ太るだけですし、制限した食事のカロリーとプロテインのカロリーがたいして変わらなければ効果は得られません。

ウエイトアッププロテインはプロテインじゃない?

市販のプロテインサプリメントにはウエイトアップタイプと称して売られているサプリメントがあります。まさに体重を増やしたい人のためのプロテインです。

このウエイトアップタイプとノーマルなプロテインでは何が違うのちがうのでしょうか。以下は明治からでているザバスというプロテインでの比較です。
ザバスのウエイトアップタイプとウエイトダウンタイプの違い
みてもらえばわかると思いますがウェイトアップタイプでは炭水化物(糖質)の割合が高くなっています。他社製品でもこの傾向は基本的に同じです。

一方カロリーで比較してみると…

商品名 カロリー タンパク質 炭水化物
ザバスホエイ100 78.1kcal 14.3g 2.8g
ザバスウエイトアップ 73.3kcal 3.8g 13.7g
ウイダーマッスルフィット 77kcal 15.2g 2.0g
ウイダーウエイトアップビッグ 74.7kcal 3.3g 14.7g

カロリーはほとんど変わらないどころか若干ウェイトアップタイプの方が少ないですね。

つまり増量用のプロテインの特徴はカロリーの高さというよりも炭水化物の多さということになります。プロテインパウダーというよりは炭水化物パウダーですね。

ウェイトアップタイプのプロテインには明治のザバス ウェイトアップ 、森永のウイダーウエイトアップビッグ 、グリコのパワープロダクション マックスロード ウエイトアップ プロテイン、Kentaiのウェイトゲイン、チャンピオンニュートリションのヘビーウエイト・ゲイナーなどがあります。

太るのに適した飲み方

太るためには摂取カロリーを増やせばいいので、たくさん食べるようにすればいいのですが、ガリガリな人は食べるのが苦手だという場合が多いと思うので、容易にカロリーが摂取できるプロテインはそういう意味でおすすめです。

摂取のタイミングとしては朝、運動後、おやつ代わりになどいつでもいいと思いますが、消費エネルギーの少なくなる夕方以降や寝る前に飲むことが特に効果的だと思います。

重要なのはトータルで見て摂取エネルギー>消費エネルギーにもっていくことです。

筋トレをせずにただプロテインだけ飲めば脂肪ばかりが増えて体脂肪率が上がっていくことになりますので、もし筋肉をつけながら太りたい場合はしっかりとトレーニングも行う必要があります(その場合には筋トレ後にもプロテインを飲みましょう)。

時々、主に女性の方で、胸やお尻など特定の部位だけに脂肪をつけたいと考えている人がいるようですが、脂肪は脂肪細胞の多いところについていくものなので基本的にそういうことはできません。

プロテインサプリメントばかりからカロリーを摂取すると栄養素が偏ってしまうので注意しましょう。

ソイプロテインは太らない?
プロテインには牛乳を原料とするホエイプロテインやカゼインと大豆を原料とするソイプロテインがあります。ソイプロテインはダイエット(ウェイトダウン)タイプのプロテインサプリに用いられることが多く、太らないものだというイメージを持っている人もいると思います。確かに大豆タンパクには脂肪の代謝を促進する効果がある注2とされますが、多量に摂取し、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ればやはり太ることなるでしょう。しかし、太りたい場合にあえてソイプロテインを選ぶ必要はないと思います。

注1栄養素が消化吸収される際にどのぐらいのエネルギーが使われるかということで、タンパク質では20%程度なのに対して炭水化物では10%程度、脂質では5%程度とされます。
注2大豆たんぱく質の機能性を探る