自分の体脂肪率を知ろう

体脂肪率とは脂肪と脂肪以外のもの(骨や筋肉)との割合です。
例えば体重100kg体脂肪率20%の人がいるとすれば、その人の脂肪の量は20kgで除脂肪組織は80kgということになります。
体脂肪率10%、15%、20%のイメージ
自分の体脂肪率が何パーセントぐらいなのかを計る方法はいくつかあります。

水中体重秤量法(水中体重測定法)

脂肪が多いほど比重が軽く、少ない程軽いという性質を利用した測定方法です。
全身を水中に沈めた状態で体重を計り、大気中で計った体重との差から体脂肪率を計算します。
ある程度正確な体脂肪率を知ることができますが息を吐き切った状態で水の中に沈まなければならないため苦痛を伴います。

慶應義塾大学のスポーツ医学研究センターで計れるようですが、基本的に塾生以外は利用できないようです(団体ならいけるかも?)。

空気置換法

これも原理は同じです。
ただ水中に入る代わりに密閉された装置内に入って空気の圧力変化を測定するので水中体重秤量法のような苦痛が伴うことはありません。

ざっと検索して見つかった利用できる場所は京都府スポーツセンタースポーツ医・科学室北海道県立総合体育センターぐらいでした。すみません。

生体インピーダンス法

上記の方法は正確な体脂肪率を知ることができるのですが、大がかりな装置が必要で大学等の研究室にいかないとなかなか計れません。
それに対してこのインピーダンスは体に微弱な電流を流して電気抵抗を計り、それを基に体脂肪率を計算するというもので、一般に販売されている体組成計、体脂肪率計に使われている原理です。
ですので体脂肪率を知ろうと思ったら体脂肪率計を購入するか体脂肪率計が置いてあるジム、スポーツセンターなどにいくのが現実的な方法です。
ただ、体脂肪率計はそれほど正確でなく、同じ機械でも測定のタイミング等で数パーセントばらつくことがあるので、細かい数字を気にしすぎない方がよいでしょう。

他には皮下脂肪の厚さを直に測定する皮下脂肪厚法やX線を用いた二重エネルギーX線吸収法(DEXA法)もあります。

「脂肪多すぎ」の目安

体脂肪率がどれくらいならば太っていると判断されるかについてはいくつも基準がありますが、一般的には以下のような感じになります。

  男性 女性
痩せ 15%未満 20%未満
標準 15~20% 20~25%
肥満気味 20~25% 25~30%
肥満 25%以上 30%以上

女性は男性と比べると標準的に脂肪が多く、筋肉が少ない体型なので肥満と判断される体脂肪率も高めとなっています。
ちなみに脂肪のつき方や筋肉の大きさにもよりますが一桁になれば腹筋が割れて見えるはずです。

注意しなければいけないのは体脂肪率は体重とは関係ないということです。表面的には痩せているように見えても体脂肪率が高い人もいます。

身長に対して体重が適正かどうかはBMIで判断することができます。
計算は簡単で、、体重(kg)÷身長(m)×身長(m)であなたのBMIがわかります。だいたい18.5~25が普通体型、それ以下が痩せ、それ以上が肥満とされます。

体重が減れば体脂肪率も落ちるというわけではない

体脂肪率を減らしたいと思ったなら単にダイエットするだけではダメです。
例えば体重が1kg減ったとしてもその内0.5kgが脂肪で、0.5kgが筋肉や臓器だったとしたら体脂肪率は変わらないということです(もちろん脂肪の量は減りますが)。
内臓や筋肉って減少するの!?と思われるかもしれませんが、普通に減少します。
逆に体重が増加したとしても脂肪と筋肉などが同じ割合で増えれば体組成は変化しません。
体重の変化と体脂肪の関係
つまり体脂肪率を下げるには筋肉が減らないように脂肪を減らすか脂肪が増えないように筋肉を増やすしかないわけです。

脂肪の燃焼に効果的な運動とは

世の中には様々なスポーツやトレーニングがありますが、その全てが脂肪の燃焼に適しているわけではありません。
筋肉には大きな力を発揮する時に使われる速筋繊維と比較的小さな力を発揮した時に遅筋繊維がありますが、脂肪をエネルギー源として使用するのは遅筋繊維です。
ですので、筋トレのような大きな力を発揮する必要のある運動には直接脂肪を燃焼する働きがありません。
遅筋が多く使われる運動、速筋が多く使われる運動イメージ
つまり脂肪を燃焼させるにはあまり大きな力を発揮せずに長時間続けることのできるウォーキング、ジョギング、エアロバイク、水泳などの有酸素運動が効率的なわけです。

サプリメントは必要?
ナイアシン、パテント酸、カルニチン、共役リノール酸など脂肪の燃焼を助けるとされるサプリメントは多々ありますが、体脂肪率を下げたい場合にはこれらを飲むべきでしょうか?
サプリを飲むことによって脂肪の燃焼が促進される可能性はあると思います。ただそれが実感できるのは適切に運動した場合で、飲むだけで目に見えるレベルでの体脂肪率の減少が期待できるようなサプリはまずないので注意しましょう。

筋トレをすれば体脂肪率は下がるか?

例えば体重が増えた時にその大部分を筋肉が占めていたのなら体脂肪率は下がります。
現実にはなかなか難しくて体重が増えるときには筋肉だけでなく脂肪もそれなりにつきますが、適切な食事を摂りつつトレーニングを行えば体組成はある程度改善されるはずです(特に筋トレをはじめたばっかりの内は)。
体には様々な筋肉がありますが、体脂肪率を減らすには大きい筋肉を鍛えるのが手っ取り早いでしょう。
腿の筋肉や胸の筋肉は比較的筋肥大しやすいので、スクワットベンチプレスデッドリフトなどを定番の種目を行うのがよいでしょう(例えばダンベルカールで腕の筋肉だけを大きくしても全体に与えるインパクトは小さいです)。

筋トレしつつ体重を減らした場合、筋肉量の大きな増加は望めませんが、食事制限のみで痩せた場合よりも筋肉の減少を穏やかにすることはできます。

食事制限ダイエットは体脂肪率を改善しない

体重を減らすには消費カロリー>摂取カロリーにしてエネルギー収支をマイナスにする必要があります。
それを摂取カロリーを減らすことによって実現しようというのが食事制限ですが、体脂肪率を改善したい場合にはあまりおすすめの方法ではありません。
筋トレも有酸素運動もせずに食事制限だけで痩せた場合筋肉等の減少は著しくむしろ体脂肪率が上がる可能性があります。

炭水化物の摂取量を極度に減らす、あるいは全くなくす糖質制限ダイエットもおすすめしません。
脂肪が燃焼されるには炭水化物が必要ですし、炭水化物を食べると分泌されるインスリンというホルモンはグルコースやアミノ酸を筋肉に取り込む働きをします。

もちろんだからと言ってなにも気にせずに食べてよいというわけではありません。余ったエネルギーは脂肪に変換されるだけなので食べ過ぎれば体脂肪率は上昇します。
どれくらい食べる必要があるかは体質にもよりますが目安としてはこんな感じです。
年齢、性別、活動レベル別推定必要エネルギー量
日本人の食事摂取基準(2015年版)より)

つまりある程度きちんと食事を摂って運動で痩せた方が体脂肪率の減少にはよいということになります。

まとめ

体脂肪を落とすためには以下の方法がおすすめです。

  • 有酸素運動で脂肪を効率的に燃焼させる
  • 筋トレで筋肉の量を増やす
  • 過不足のないバランスの取れた食事をこころがける
  • 食事制限のみで痩せるのはNG
  • 筋トレ+食事制限や有酸素運動+食事制限はありだが極端に制限しない方がよい

以上、体脂肪率を落とすにはどうすればいいのかについての話題でした。
筋肉をつけるにせよ脂肪を落とすにせよある程度の時間が必要となってきますのであせらず粘り強く続けましょう。