停滞期とは
ダイエットにおける停滞期とはある時から順調に減っていたはずの体重が全然変化しなくなってしまうことをいいます。
例えば70kgまではすんなり減っていたのにそれ以上は一向に下がらないとかそんな感じですね。
こうした停滞期がなぜ起こるのかを少し考えてみたいと思います。
体重が減ると運動で消費できるエネルギー量も減る
運動で消費できるエネルギーは体重×時間×運動の強度でだいたい決まります。
つまり体重が減れば全く同じ運動を行ったとしても消費できるエネルギー量は体重の減少分だけ減るということになります。
時速8.4kmのジョギングを例に30分間走った時の体重別の消費カロリーをみていきましょう。
この例では体重が5kg減る毎に消費できるエネルギーは約23kcal減っていきます。
つまり体重がある程度減った現在となっては同じ運動でもダイエットを始めた当初と同様の効果は期待できないということになります。
たかたが23kcalじゃないかと思うかもしれません。
しかし、エネルギーを使うのはいわゆる運動だけではありません。掃除、洗濯、通勤などなどあらゆる活動がエネルギーを消費します。
その全ての活動のエネルギー消費が体重が軽くなった分だけ少なくなるのでトータルで見るとそれなりの差が生まれてきます。
体重が減れば基礎代謝も減る
基礎代謝量とはなにもしていない時でも生命の維持などのために必要なエネルギー量ですが、体重が軽くなると基礎代謝量も少なくなってきます。
基礎代謝推定式のひとつ注1を使用して20歳、女性で身長160cmの人の体重毎の基礎代謝を計算してみるとこんな感じになります。
この例では体重が5kg減ると約57kcal減ることになっています。
これはそこまで大きな影響はなさそうですが、体重が大幅に減った場合は注意が必要です。
基礎代謝を保つためには筋トレがよいといわれます。
確かに筋トレを行いながら減量すれば筋肉量をある程度保って痩せることができますが、実際には内臓が縮む影響も大きく、筋トレさえしてれば基礎代謝は落ちないということはありません。
まずありえませんが脂肪だけがキレイに落ちて体脂肪率が下がった場合でも場合でも基礎代謝は多少低下します。
また食事量を極端に減らすと体が少ないエネルギー状態に適応して代謝がこの数値よりも大幅に下がる可能性もあります。
こうした場合はその状態を長期間続けていると再び体重が落ちはじめるという可能性もあります。
ちなみに歳をとる毎に代謝量も落ちていくのが一般的です。
結果として均衡点が変わる
体重が減れば様々な活動で消費されるエネルギー量が減り、基礎代謝量も減ることがわかりました。
つまり停滞期とはこういうことです。
体重〇〇kgの時は××××kcalでも消費エネルギー>摂取エネルギーの状態となって体重が減少していたが、体重が△△kgまで減った結果消費と摂取の釣り合いがとれて体重が変化しなくなった。
ちなみにリバウンドと呼ばれる現象もこれに関連しています。
体重が減った結果として以前より消費できるエネルギー量は減っているにも関わらず気が緩んでついつい以前のような量の食事を摂ってしまうと大きくオーバーカロリーになりみるみる体重が増えていくというわけです。
解消方法
全ての停滞期がこうした原因で起きているとは断言できませんが、消費エネルギーと摂取エネルギーが釣り合っていることによる停滞ならいくら待って事態は解決しません。なにせバランスがとれてしまっているのですから。
というわけでこうした停滞期を解消したければ、
- 更に消費エネルギーを増やす(運動を増やす)
- 更に摂取エネルギーを減らす(食事制限を強化する)
のどちらかしかありません(両方でもいいですが)。
厳しい食事制限は筋肉、内臓などの除脂肪体重の減少を招きやすいのでどちらかといえば消費カロリーの高い有酸素運動を行い消費>摂取の状態に持っていくのがおすすめです。
注1男性→(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.4235)×1,000/4.186、女性→(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.9708)×1,000/4.186