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ムキムキマッチョにはなりにくい
よく筋トレ始めたらムキムキになっちゃいますか?あまりごつくなるのは嫌なんですけど…的なことをいう女性の人がいます。
確かに恐ろしいほどマッチョな女性ボディービルダーも存在しますが、通常はそんなに筋肉はつきません。少なくとも男性と比べて全然つきにくのは確かです。
これはテストステロンなど筋肉の発達を促す男性ホルモンが女性には少ないためです(テストステロンは卵巣でもつくられますがその量は男性の20分の一程度とされています)。
このため女性は標準的に脂肪が多く、筋肉が少ない体型となっています。
筋トレだけではあまり痩せない
筋力トレーニングの目的は基本的に筋肥大(筋肉を大きくすること)や最大筋力の向上、筋持久力の向上であり、体重を減らすことではありません。
筋トレも運動ですからそれなりのエネルギーを消費しますが、筋肥大を目的として一般的なやり方の筋トレでは消費カロリーはあまり多くなく、脂肪を燃焼することもありません注1。
筋トレと一緒に食事制限を行えば体重を減少させることが可能ですが、栄養が制限された状態下では筋肉の発達が難しくなっていきます。
だだ筋肉の量が増えれば体脂肪率が下がり体重が増えてもスッキリ引き締まった見た目になる可能性はあります。また筋肉が増えることで基礎代謝が上がり太りにくい体質になるといわれています。
体脂肪率が下がり過ぎるとまずいことも
筋肉がつくことは悪いことではないよに思えますが、女性の場合やり過ぎるとよくないこともあるようです。
体脂肪は女性ホルモンエストロゲンの分泌に関わっており、脂肪が減少しすぎる生理不順や無月経になることがあるとされます注2。
実際、女性スポーツ選手では生理不順に悩まされている人が多いそうです。
ちょっと筋トレしたぐらいでは大丈夫だと思いますが、あまり筋肉質になりすぎないよう注意が必要です。
効果的なトレーニング方法は男性と変わらない
以上のような違いはありますが、筋肉自体は男性でも女性でも同じものであり、効果的とされているトレーニング方法も変わりません。
具体的には筋肉を大きくすること目的とするならば限界負荷(その種目を一回だけ行うことのできる負荷)の75~80%程度の負荷をかけて8~12回ほど反復するトレーニングを3~5セットほど行うのが効率的とされています。
例えば、50kgのペンチプレス×10回が1セットで、これを3セット行うみたいな感じです。
筋持久力(力を出し続ける能力)を高めることが目的の場合はもう少し軽い負荷で20~60回で1セットとするのがよいとされています。
プロテインとはタンパク質のことで一般には単に「プロテイン」と呼ばれることの多いプロテインサプリメントは牛乳(ホエイプロテイン)や大豆(ソイプロテイン)から抽出したタンパク質を含んだ粉末ということになります。食事から十分なタンパク質を摂れるなら必ずしもプロテインを飲む必要はありませんが、不足しがちなら手軽に摂れるプロテインサプリもよいでしょう。飲むタイミングとしてはトレーニング後が最も効果的といわれています。
初心者の女性におすすめのメニューをいくつか
特に日頃から運動を行っていない女性にはとりあえず自分の体重のみを負荷とする自重トレーニングやゴムチューブ(レジスタンスバンド)を使ったトレーニングがおすすめです。
これらのトレーニングではそれほど大きな負荷をかけられませんが、最初の内はこれで十分だと思います。自宅でできますし、スペースもさほどとりません。
腕立て伏せで胸筋を鍛える
- 床にうつ伏せになり、腕を伸ばして体を浮かせる
- 胸が手の上に来るようにして肩幅程度に手幅をとる
- ゆっくりと肘を曲げていき床につく寸前まできたらスタートポジションに戻る
- 後はこれを限界の回数まで繰り返す
レッグレイズで腹筋や腸腰筋
- 床にあおむけになって寝そべり足を伸ばす
- 足を浮かせて構え、両足揃えて上方に上げていく
- 90度近くまできたら一瞬止めゆっくりとスタートポジションに戻る
- 後は限界がくるまでこれを繰り返す
ツイストシットアップで腹斜筋も
- あおむけになり膝を90度に曲げけ両手は頭の後ろに置く
- 腹筋に力を入れ上体を上げていき、途中で左右どちらかにひねる
- 十分な位置まできたらゆっくりと初めのポジションに戻る
- 次の回では反対が側にひねり、後は左右交互にこれを決めた回数繰り返す
お尻に効くブリガリアンスクワット
- フラットベンチまたはイスの前に立ち片足を足の甲をつける形でベンチにのせる
- 片足立ちのまま膝を曲げてしゃがんでいく
- 腿と床が水平になるところまできたら立ち上がる
- 後はこれを決めた回数繰り返し、足を入れ替えて同じことをやる
チューブシーテッドローイングで背中を鍛える
- 床に尻をついて座り足を伸ばす
- 足の裏にチューブを回ししっかり負荷かかかる長さに調整したら端を握る
- 息を吸い肩甲骨を寄せながら肘を曲げてロープを引いていく
- みぞおち辺りまできたら一瞬止めスタートポジションに戻る
- 後は決めた回数これを繰り返す
注1筋トレのような短い時間に大きな力を出す運動では炭水化物(グリコーゲン、グルコース)がエネルギーとなります。ジョギングなどの有酸素運動は脂肪をエネルギーとして使うことができます。
注2スポーツが月経に及ぼす影響